訪問先には様々な出会いや発見があります。
リハのサービスを提供するだけではなく、利用者様やご家族の方からもたくさんのことを学ばせてもらっています。
先日の訪問でのこと
この方は、大正生まれで90歳をこえていますが、ヘルパーさんの力も借りながらお一人で暮らしています。
半身に麻痺があり、度重なる転倒で大腿骨のつけ根の骨折もしてしまいました。
担当のケアマネジャーが今後の生活を心配され、訪問リハの依頼が出たご利用者様です。
訪問すると久しぶりに地方で暮らしている息子さんが来訪しており、お母さんの歩くリハビリ場面をみながら笑顔で一言・・
「なぁ、先生よぉー、もう煙にも灰にもなっちまうばあさんだからな、
あんまり一生懸命やんなくていいぞ~、こっちがもたないわ―、先生がくるとがんばるばあさんだからな・・・」と
母はそれを聞き、気にも留めずふふっと笑いながらも、さらに力強く杖を床につき歩き始めました。
私は息子さんの表現にも驚きましたが、いくつになっても子供には迷惑をかけたくないんだ・・という母の気持ち、また言葉はきついがいつまでも元気でいてほしいことを願う息子さんの気持ちが伝わり一緒に頑張りましょうねという思いから、思わず直角に曲がる利用者様の背中をなでていました。
訪問リハが始まり1年9ヶ月になります。この間1回も転倒もなく経過しています。
また手押し車でやっと歩いていた方でしたが、現在は杖もどこかに忘れるくらいになり、玄関まで出迎えてくれるようになっています。
今年の春の目標は、家の周りに出てみることを計画中です。
あったかい陽ざしの中、花をみながら、外の空気にふれ、リハをしながらたくさんのお話を聴きたいと思っています。
訪問リハPT