2021年2月19日金曜日

パルスオキシメーター

 新型コロナウィルス感染症拡大で、指先で血液中の酸素濃度を測る医療機器「パルスオキシメーター」の需要が全国的に急増し、品薄の状態となっています。


 実は、当院の中島進院長がパルスオキシメーターの開発に携わった研究者の一人で、世界で初めてパルスオキシメーターの臨床応用を行いました。 


開発の経緯は日本光電に勤めていた青柳卓雄(故人)氏が、光を当てることで酸素飽和度を正確に測る原理を発見し、当時北大の応用電気研究所で研究をしていた中島院長に話があり、試作品が作られ、臨床応用と論文発表が行われました。しかしながら諸事情により、日本光電での研究が中断されてしまい、その後、アメリカで開発が進み、世界で爆発的に普及しました。


右が現在の製品、左が販売開始当時製品


1987年に血液ガス測定の世界の第一人者でカルフォルニア大学麻酔科教室Severinghaus教授が来日し装置の開発の歴史を調査し、原理の開発者が青柳卓雄氏で、最初に臨床応用を行い学会・論文発表したのが中島進院長と論文で発表しています。

 パルスオキシメーターの開発により致命的麻酔事故の発生は、1950年代には2000件に1件であったのが、現在では10万件に1件と言われているようですので、パルスオキシメーターの使用で多くの方の命が救われています。

 

このコロナ禍において必要とされているパルスオキシメーターが生まれたのも当院の中島院長の研究の賜物と職員として誇らしく思います。

 

ただ医療機器ですので正確な判断・診断は医師によって行われるべきものです。また正確な使用法が必要ですし、性能の劣るものもあるようですので、正しい使い方が必要です。